ippoについて

ippoは、役目を終えた素材に、
ふたたび物語を吹き込む小さなアップサイクルブランドです。

花や糸、竹、蜜蝋など、誰かの手からこぼれたかけらたちに、
ippoは、もう一度目を向けます。

規格外であったことも、傷があることも、
変化していくことさえ、
その素材のいちぶとして、静かに受けとめながら。

ippoが届けるのは、かたちになった一歩たちと、
そこに宿る、ちいさな問いです。



静かな問いから、灯りをともす

ippoは、「問い」からはじまるブランドです。
「これは捨てられるもの?」
「本当に、役目を終えたんだろうか?」
「この素材には、まだ伝えたいことがあるのでは?」

そんな静かな問いを、素材に、暮らしに、人に向けて投げかけながら、
“ものづくり”という形で、その余白をそっと照らしています。


ippoという名前にこめたこと

「ippo」は、“一歩”でもあり、“一布”でもあります。
大きく変えなくていい。完璧でなくてもいい。
だけど、確かに踏み出す。
誰かの忘れかけていた美しさに、もう一度目を向けるための、一歩。
そして、想いをそっと包む、一枚の布のような存在でありたい。

この名には、そんな願いがこめられています。


素材の声に耳を澄ます

 ippoは「アップサイクルブランド」かもしれません
でも、わたしたちにとっては、
「アップサイクル」や「エシカル」という言葉よりも、
「忘れられていた声に気づくこと」や
「ふるまいとしての美しさ」が、もっと大切だと考えています。

使えるか使えないか、ではなく、
その素材が“まだそこに在る”ということに、意味があると思うのです。


ふるまいとしてのものづくり

ippoが大切にしているのは、
「効率」や「大量生産」では届かない、体温のある“ふるまい”です。

たとえば、同じ素材には二度と出会えません。
色のかすれ、形の歪み、つき方のクセ。
どれもが、規格からは外れた“その子だけの個性”であり、
誰かにとっての“ぴたりとくる”ひとつであるかもしれません。

工業的な精度では測れない、
偶然と共鳴する手仕事の中にこそ、ippoは宿ります。


静かな実験室

わたしたちはまだ、答えを知りません。
でも問い続けます。
“これは、どう生かされると美しいだろう?”
“この素材とこの人が出会ったら、どんな化学反応が起きるだろう?”

そうやって、今日も静かに手を動かしながら、
実験を続けています。

あなたの暮らしの中に、
小さな問いと、小さな灯りが届きますように。